4.そもそも、お客さまは何にも見ていない。

2013年09月19日

デザイナーが陥りがちなミスのひとつに細部だけに目がいってしまいトンチンカンな自己満足なモノを制作してしまうことがあげられます。

かっこいいものを作りたいのが性分なので仕方のない部分もありますがそもそも「何のため」に作るのかを明確にしておかないとこういうことが起こります。

またデザイナーだけでなく発注する側もアピールポイントを真剣に考えすぎるあまり、全く効果がでないものを要求してしまうことがあります。

そもそも、道行くひとは「何にも見ちゃいない」し「見ようとしていない」んです。

あなただってそうですよね。街を歩いているときに「ああ、こののぼり旗はこんな文字が書かれていて…。えっ”激ウマ”なんだぁ。ふむふむ」なんてやらないですよね。そもそも記憶にすら残っていないのではないでしょうか。

仮に記憶に残っていても「入りたいなぁ」と思ったでしょうか。

それなのに「せっかくだから、これもあれも盛り込もう!」とバラバラなデザインの、のぼり旗を複数本立てたり「激安!」「日本一!うまい」とか明確な根拠のない自賛をしてしまうのです。

上記の「アピールポイントが多すぎる」ことと「根拠の乏しい自画自賛」はのぼり旗に関するインターネットでのアンケートによるとなんと【入る気がしないお店の特徴】の上位にランクされる項目なのです。悲惨です。よかれと思ってやっていることなのに…。

ではどうすればいいのか。それはあふれる情報の洪水の中で、印象を残したいのなら、的を絞ったメッセージを繰り返し、わかりやすく伝える必要があるのです。

何回も同じメッセージを発信することでやっと「そんなに言うのならよほど自信があるのだろう」と解釈して行動してくれるのです。

具体的にいうと同じデザインの、のぼり旗を連続して掲げるのです。

特定の商品やサービスだけをアピールするのはもったいないとお思いでしょうが、ぜひテストしてみてください。その方が、アピールした商品だけでなく【総売上】が上がるというデータがあるのです。

目的はお客さまが、のぼり旗の最大の費用対効果をあげることです。ぜひ半年後に、より利益が残るやり方を見つけて欲しいと思っています。

ただし【ありきたり】のデザインだけはダメですよ。脳は無意識のうちに【ありきたり】=【ありきたりのサービス】と判断します。確かめてもいないのに…。さらに【ありきたり】なモノを脳は自動的に無視をするようにも出来ています。